不動産営業マンの副業大家日記

不動産営業マンが副業で大家業をはじめました。そんな大家業を綴っていきます

サブリース問題について考える

最近何かと賃貸不動産関係の問題が世間を騒がせる事が増えていますね。


そんな中でもサブリース問題は長く問題になり続けている印象があります。


サブリースに関しては有名所だと大東建◯とかレオパ◯ス、細かく見ると、ワンルームの分譲マンションまで多くの業者が参入している業態ですね。


そもそもサブリースって?

サブリースってなんでしょうか?


物件を借りて、それを転貸借する事。


単純ですね・・・


我々賃貸経営者には、常に付きまとう空室リスク・・・


それを長期で借りて頂けるのですからそれはとてもありがたい!空室リスクがなくせるのです。


特に我々のようなサラリーマン大家は時間がかけられません。そこをサブリース業者が借り上げてくれることで、面倒な事は全てサブリース業者さんが行なってくれます。


新築から建てる場合はプランニングから融資、家賃設定まで全ておまかせ!!


客付けすら自分でしなくて良い!!


ありがたい事だらけですね!


しかし、一つ問題点が・・・


サブリースって借地借家法上の賃貸借なんですね。


借地借家法

そもそも借地借家法って民法の賃貸借では、借主が保護されきれない部分を補うために出来た法律で、より借主側に寄った法律です。強い貸主対弱い借主の構図ですね。


ですので、一度一括借上げで貸すと、オーナーは解約すらまともに出来なくなるのです。さらにオーナーチェンジしても、借り上げは継続しますので次のオーナーも正当事由無く解約出来ません。


反対に借主(サブリース業者)からの解約は通常通り3ヶ月前に申し入れれば簡単に出来るのです。


問題点

サブリースの最大の問題手は、賃料でしょう。一時家賃保証なんて言葉もありましたが、現実は、周辺相場の変動等により新築時の賃料から少しづつ減額されます。不服があるなら裁判で決着を付けれますが、負けた場合はさかのぼって返金の必要があります。


転借人の入退去があった場合は修繕費は当然の如く貸主負担で借主業者にて修繕が行われます。場合によっては相場より高い費用で修繕の必要が無いところまで施工される事も・・・


オーナーさんはだいたい自分で運営する気が無い方が多く全て業者の言いなりなイメージですね。


よく、サブリース物件のオーナーが【30年借り上げなのに途中解約された!!】とか【借り上げ賃料が下がった!!】等で約束が違うと嘆いている姿を見ますが、これらは実は問題の無い当たり前の行為なのです。(営業マンが何と言ったかは知りませんが)


サブリースに関する私見

サブリースに関して個人的にはもったいない契約だなって思うんです。

  • まずサブリースを受けるためにアパート建築を大東建◯さんとか大手にお願いしますよね。例えば地元の工務店さんとかに頼んだ場合より手間はかからないが、建築費は高くなる事がほとんどです。
  • 新築プレミアム時の高い賃料を受けれる時期にサブリースで中抜きされる。本来はこの時期にしっかりキャッシュを厚くしておく必要が有る。
  • 修繕も自由にやらせてもらえない。なので通常よりも高く取られるケースが多い
  • 賃料が下がっても解約は容易ではない
などでしょうか?まだまだいっぱいありそうですね。

サブリース破綻者さんに実際聞いてみた

最近仕事でサブリース物件を任意売却されている方とお会いしました。
元農家の地主さんで、有名大手サブリース業者さんが借上げていました。

当初は上手く回っていたようですが、一気に収支がマイナスになったそうです。


理由は新築ラッシュにより周辺相場下落で借上げ価格の大幅下落だそうで・・・


賃料収入を当てにしていたオーナーさんは一気に破綻しました。


そして任意売却です。私がホワイトナイトで「残債以上で買います!!」と申し出ましたが、結局金融機関の意向で私以下の買値の方に売却となりました。


買主と私とサブリース業者・抵当権設定者との思考相異点

私の購入条件は貸出金融機関以外の融資と借上げの解約でした。
当然、借上げ解約の違約金を私が払う腹づもりです。
元オーナーさんがせめて家屋敷は手放さない事が私の考えでした。


そして、抵当権設定者の親金融機関は初めてアパート融資相談の際に「サブリース案件にしか融資しない!!」と私に融資してくれなかった金融機関でした。


なので、残債以上で他金融機関で購入したい私は邪魔者だったのでしょう。


私の買付けは抵当権設定者とサブリース業者によって闇に葬られ、私以下の買付け価格でサブリース継続と同銀行借入の方が買われていきました。


オーナーの利益よりも、サブリース業者の利益と金融機関の利益が優先された瞬間でした・・・。


残債が多数残ったオーナーさんはそれでもサブリース会社と金融機関を信頼していました。多額の残債が残り、大きな収入元を失った元オーナーさんは返済していけるのでしょうか?家屋敷を取り上げられない事を祈ります。


そもそもサブリースは手間がかからず、利益もそこそこだと私は考えます。


企画・建築段階もサブリース業者が提案してくれます。そこに大家は何もせずに済み手間はかかりません。反面手間がかからない分建築費は相場より高くなります。


完成後の運営期間も、客付けはサブリース業者がおこなうため手間はかかりません。しかし、本来の手残りよりも儲けは少なくなります。当たり前のことですが手間賃ですね。


そして退去時の回復費は当然業者が行うため相場より高額になります。当然手間賃です。


そして、借地借家法によって保護されるのはサブリース会社・・・サブリース業者は美味しさしかありません。


オーナーの思い違い

◯双方ウインウインの関係を望む・・・
 そもそも利益追求が至上命題の業者はオーナーの利益よりも自社の利益を優先します。


◯消費者感覚
 家を買う場合消費者感覚で有ることは当たり前です。しかし賃貸不動産経営を志すな ら消費者では無いと思います。あらゆるリスク想定を行ない、判断を要求されるとおもいます。


◯オーナーの利益
 オーナーの利益を考えてくれるのは、オーナーが金づるになる間のみです。



本当に30年家賃定額で借りれるのなら、業者は借入してでも自主運営したほうが儲かります。しかしそれをしない理由は決して借入枠の問題では無いと思います。そしてその業者が本当に30年営業し続けて行けるのかは誰にもわかりません。


大事なのは、サブリースがなくなっても、賃料が下がっても、運営出来る立地と条件かを判断する事だと思います。


サブリースありき、新築プレミアありきのスキームなら破綻は目に見えていると思うのです。


しかし、サブリースの魅力は、手間いらずですね。自己資金が豊富にある。休有地の活用等の明確な目的のある方には良いシステムかもしれません。


しかし、インカムゲイン以外の目的(相続対策、赤字による税金還付等)を営業マンが語った時は要注意なのかもしれません・・・

×

非ログインユーザーとして返信する