不動産営業マンの副業大家日記

不動産営業マンが副業で大家業をはじめました。そんな大家業を綴っていきます

購入失敗の物件②

続きましては、2つ目の購入出来なかった物件は競売です。


今年年明け早々に「そう言えば年末公開の競売有ったよなー・・・」と思い、競売サイトを覗くと・・・


家の近所でアパート2棟一括売りの情報が!!


築19年の広めの1K8室×2棟の計16室!!


早速物件を見に行くと、年式の割に綺麗なアパート。


駐車場も広く100%以上確保


若干人気エリアから外れるが、是非欲しい!!



しかし競売は入札する時に保証金が必要・・・
この物件は約550万円の保証金を要するがそんなお金は無い!!


でも欲しい!!


入札まで約2週間・・・融資間に合う??


でも欲しい!!


早速事業計画をたて、入札金額を想定する。とても難しい・・・
安ければ落ちないし、高ければ利回りが低下して美味しくない・・・


ギリギリを攻めて鑑定評価よりも2割程高めに想定した。


翌日、週明け早々に金融機関へ新年の挨拶を兼ねて伺った。


挨拶も早々に、競売に入札したい旨を伝えると、支店長さんと副支店長さんがアイコンタクトのあと「行こう!!」とおっしゃってくださりました。入札保証金も手形貸付で出す!!と力強いお言葉が。


早速事業計画を元に入札金額を打ち合わせ。


すぐに保証金の段取りも済ませてくれました。


保証金の貸出はギリギリの入札最終日の予定


入札の段取りをとり、融資を待ちました・・・


入札最終日当日、銀行で手形貸付をしてもらい、競売保証金を振込、振込伝票を貼り付けた書類を持って裁判所へGOです!!


支店長さん、副支店長さんに見送られながら裁判所に向かったのですが・・・


裁判所で入札しようとしたところ・・・


まさかの・・・


取り下げ!?



なんとほんの数時間前に取り下げとなったそうで・・・


失意のまま裁判所を後にしました。


その足で金融機関さんにより報告・・・


と思いましたが、転売目的の業者ならまだ可能性が有る!!と思いオーナー直撃することに!!


オーナーの自宅を直撃するとオーナーさんは在宅中


生真面目そうな方で、突然の訪問者にも真摯に対応してくださいました。


私「競売取り下げとなったそうですが、もう契約なされたのですか?」


オーナー「はい、今朝売買代金も支払ってもらいました。」


そこでふと謄本に記載されていた抵当権者を思い出しました。個人名の抵当権設定で公庫の次順位の設定・・・しかも根抵当・・・


まさかそいつ??


私「もしかして購入者は〇〇さん?」


オーナー「何故わかったのですか??」


さらにカマかけて聞いてみます


私「〇〇〇〇万円位で売却されましたよね?」


オーナー「はい!しかし借り入れしていた額を差っ引かれましたから、実際振り込まれた額はもう少し少ないですが・・・何故解るのですか?」


私「公庫に返済と税金滞納の返済したらほぼ残らないですね・・・?」


オーナー「でも家は取られずに済みました・・・感謝です・・・」


私「1000万円の根抵当ですが、実際は380万円位の借入ですね?」


オーナー「はい・・・しかし返済を頑張っていたので、今は200万円位です・・・」


謄本の記載内容とオーナーさんのお話で段々カラクリが見えてきました。


私「購入者さんとの関係は長いのですか?」


オーナー「はい、私の農地を買って頂いて、一部を宅地にして返して頂きました。お陰で今の家と、アパート用地を確保できました。お金に困り、消費者金融に手を出し困っていた所を相談に乗って頂きお金を貸して頂いてその上また助けて頂きました。」


私「・・・」


どうやら相手は不動産業者の様です。


オーナーさんは終始購入者さんに感謝していましたが、最初のつまづきからストーリーが出来上がっていた印象です。


しかし、〇〇さんの購入金額よりも私の買取可能価格の方が大幅に高いので、転売の可能性も否めません。


話を総合して、思い当たる不動産業者が1件あります。私は普段付き合いは無いのですが、地主系の不動産業者で、金貸しをしながら不動産を取り上げる会社の社長が同じ名字です。


私「〇〇さんって△△会社の〇〇さんですよね?」


オーナー「はい・・・」


相手が特定出来ました。


相手は何度か会合等で見たことがあります。色黒でゴールドのアクセサリーをゴテゴテにつけた年配のおじさん・・・悪い印象しかありません・・・


しかしここまで調べた以上、また、融資の段取りを進めてくれていた金融機関さんのためにもここで諦めるわけにはいきません。


意を決して敵陣に乗り込むことに・・・


△△会社さんに行くと駐車場には黒いベンツ・・・


事務所に入るとケバいおばさんが出てきました。その後ろの部屋から社長と思われる方がドスの効いた声で電話でお話している声が聞こえてきました。


私「社長さんにお会いしたいのですが・・・」
おばさん「いま出かけていておりません」
私「本日の競売で取り下げられた物件について社長様にご相談が有るのですが・・・」
おばさん「はい?何のこと?」
私「社長様はいつおもどりですか?」
おばさん「わかりません・・・」


すると・・・


社長さんが奥の部屋からでてきました。相変わらず黒くてチャラい・・・


社長「お前誰だ?なんでわかった?」


私「賃貸不動産経営をしているやまと申します。今回の物件に入札しようとしたら取り下げられていて、ふと謄本に社長様のお名前がある事に気が付きました。そこで今回の購入者様は〇〇様ではと思い転売して頂けないかと思い失礼ながらお邪魔させて頂きました。」


社長「たとえ俺だとしても俺は転売しない!諦めてかえれ!!」


私「残念です。もし転売をお考えならご連絡下さい・・・」と言って名刺を差出し事務所を後にしました。


その後金融機関さんに電話で本日の取り下げとその後の顛末をお伝えしました。


とても残念がっていましたが、相手の名前を告げると、何故気が付かなかったのかと悔しがっておりました。


これで2連敗・・・手形の金利も痛いですが、金融機関さんからの信用を落としているであろう現状が痛いです・・・


今日の教訓

  • 謄本分析をきちんとして怪しい抵当権は事前に調査しよう!!
  • 競売前に債務者さん(オーナー)に会い任売の可能性を探るべきだった!!

わずか4半期で1勝2敗となりました。
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